ミライアルコラム
第5回 PPS樹脂の特徴と用途 【ミライアルの樹脂講座】
PPS樹脂とは
PPS(ポリフェニレンスルフィド)樹脂は、ベンゼン環と硫黄が交互に繰り返される化学構造を持つ、熱可塑性の結晶性樹脂です。PPS樹脂は、架橋型(分岐型)、リニア型(直鎖型)があります。架橋型は、高温度領域でも高い剛性を保持し、クリープ変形に対して有利な特徴があります。リニア型は、伸縮性、靭性に優れているという特徴があります。
(PPS構造式)
PPS樹脂の特徴
PPS樹脂の特徴としては、剛性、耐熱性、耐熱水性、耐薬品性が高く、電気的特性(絶縁性)に優れている点などが挙げられます。
また、溶融粘度が低いため、強化材や無機添加物の添加量を多くできるメリットがあり、ガラス繊維を添加した強化グレードがよく使用されています。
対して欠点は、射出成形時にアウトガスが出やすい、金型腐食性がある、バリが発生しやすいことなどが挙げられます。
ミライアルでは
PPS樹脂の高い剛性を活かして、当社製品のFOUPでも繰り返し駆動する部品に使用しています。PPS樹脂は、今後も多方面で使用される可能性が高い樹脂であり、ミライアルではこの樹脂の特徴を利用した製品開発も検討しています。