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ミライアルコラム

第3回 フッ素樹脂の特徴と用途 【ミライアルの樹脂講座】

技術情報

 

フッ素樹脂とは
 フッ素樹脂とは、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる合成樹脂の総称です。
 特徴としては、耐熱性が高い、耐薬品性が高い、摩擦性が低い(滑りやすい)、非粘着性が高い(くっつきにくい)、絶縁性が高い(電気を通しにくい)などがあります。
 最も代表的かつ、大量に生産されているフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)です。樹脂で最も簡単な構造を持っているポリエチレンの、水素原子がフッ素原子に置き換わった構造をしています。PTFEは、フッ素樹脂の中でも、最もフッ素樹脂の特性を発現する樹脂ですが、溶融成形が出来ないことが大きな欠点であり、その難成形性の改良のため、様々な樹脂が開発されてきています。

 

フッ素樹脂の分類
 大きく分けるとすると、完全フッ素化(パーフルオロ)樹脂、部分フッ素化樹脂に分けられます。
 完全フッ素化樹脂は、分子構造中のすべての水素原子がフッ素原子に置き換わっているもので、部分フッ素樹脂と比較して、耐薬品性が高い、耐熱温度が高いなどの特徴を有していますが、コストが高く、一般に力学特性が低いとされています。
 一方、部分フッ素化樹脂は、一部の水素原子がフッ素原子に置き換わっているもの、もしくは、炭化水素系モノマーと重合しているものです。コストが抑えられ、高い力学特性や多くのユニークな特徴を有する樹脂となっています。しかし、フッ素樹脂特有の耐薬品性や耐熱温度などは、完全フッ素化樹脂と比較して、低くなっています。

 
 それぞれの樹脂の特徴を、次の表にまとめました(一般的に言われている特徴、ならびに、代表的な数値であり、すべてが当てはまるわけではありません)。

 
完全フッ素化(パーフルオロ)樹脂

 
部分フッ素化樹脂

※上記の数値ならびに特徴は、代表的なものであり、保証するものではありません。
 

ミライアルでは
 主にPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)樹脂を使用し、フッ素樹脂の耐薬品性の高さという特徴を活かして、半導体用のキャリアや、ボトル、薬液配管・配管継ぎ手などを製造しています。また、これらの製品が使用される環境は、クリーン度が高いことが多く、そこで使用する製品にも、同様に高いクリーン度が求められます。ミライアルでは、フッ素樹脂専用の工場を作り、さらに、工場内にクリーン成形を行えるような環境を整備することで、お客様の求める品質の製品を製造しています。

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