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ミライアルコラム

第4回 PEEK樹脂の特徴と用途 【ミライアルの樹脂講座】

技術情報

 

PEEK樹脂とは
 PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂は、芳香族ポリエーテルケトン(PAEK)樹脂の一つである、熱可塑性の結晶性樹脂です。PAEK樹脂は他にも種類がありますが、PEEK樹脂が、加工温度、物性、コストの点で、総合的に優れるため、PAEK樹脂の市場をほぼ独占しています。
 
(PEEK構造式)
 

PEEK樹脂の特徴
 PEEK樹脂の特徴としては、耐熱温度が高く(連続使用温度が260℃)、機械的強度、耐久性、耐熱水性、耐薬品性、耐放射線性に優れ、イオンやアウトガスなどの溶出物が少ない点などが挙げられます。
 高性能な樹脂ですが、欠点としては、高価な所が最大のネックになります。
 PEEK樹脂には、ガラスファイバーやカーボンファイバーを混ぜた強化グレードや、フッ素樹脂による摺動性改良グレードなどもあり、用途に合わせて樹脂を使い分けています。
 

ミライアルでは
 PEEK樹脂は様々な特性を持っておりますので、ミライアルでも色々な製品に使っております。まずは、耐薬品性の高さという特徴を活かして、半導体用カセットを製造しております。
 また、耐熱性の高さ、イオンやアウトガスなどの溶出物が少ないという特徴を活かして、半導体用ウェハケースの内部パーツに、他にも、高い耐久性が必要な製品に使用したりとしております。
 PEEK樹脂は、成形温度が400℃近く、また、金型温度も200℃近くになることもあります。一般的な汎用プラスチックの成形温度は約200℃前後であることを考えると、非常に高温であることが分かります。また、このように成形温度や金型温度が高くなると、寸法や表面状態などのバラつきが大きくなり、正確な成形が難しいですが、ミライアルでは長年の経験と培ってきた技術により、安定した製品作りを行ってきております。

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