閉じる

ミライアルコラム

第1回 樹脂とは 【ミライアルの樹脂講座】

技術情報

樹脂とは
まず、プラスチックは「合成樹脂」を原料に作られています。では、樹脂とは何でしょうか。漢字から想像することができるかもしれませんが、元来は、樹木から取れる樹液が固まった物質のことで、代表的なものに松脂、漆、柿渋などが挙げられます。これらの樹脂は天然にできたものであるため、「天然樹脂」と呼ばれています。一方、樹脂をもっと幅広く使用するために、石油などを原料として、人工的に量産し、使い勝手を良くしたものが「合成樹脂」です。この合成樹脂のことを、一般的にはプラスチックと呼んでいます。

 

合成樹脂の分類
合成樹脂はその特性から、「熱硬化性樹脂」と「熱可塑性樹脂」に分類されます。
「熱可塑性樹脂」は、熱を加えると、軟化・流動していき、冷やすと硬化します。硬化した樹脂を再び加熱すると、また、軟化・流動していきます。食品で例えると「チョコレート」のような樹脂で、繰り返し使用することができることが大きな特徴です。
「熱硬化性樹脂」は、熱を加えると、まずは軟化・流動するのですが、そのまま熱を加え続けると硬化していく性質を持ち、一度硬化すると、再び加熱しても、軟化・流動しません。食品で例えると「クッキー」のような樹脂で、繰り返し使用することはできませんが、強度や耐熱性に優れるといった特徴があります。

 

熱可塑性樹脂の分類
熱可塑性樹脂は、「汎用プラスチック(汎用プラ)」と「エンジニアプラスチック(エンプラ)」に分類され、エンジニアプラスチックは、さらに、「汎用エンジニアプラスチック(汎用エンプラ)」と「スーパーエンジニアプラスチック(スーパーエンプラ)」に分類されます。
明確な定義というものは存在しないのですが、一般的に、耐熱温度が100℃以上のものがエンプラとされ、さらに、耐熱温度が150℃以上のものがスーパーエンプラとされています。
汎用プラ→汎用エンプラ→スーパーエンプラと耐熱性が上がっていくと、成形温度も高くなっていきますし、また、強度も上がっていく傾向にありますので、加工が難しくなっていきます。つまり、成形品としての強さは上がっていきますが、樹脂としての取り扱いが難しくなってきます。

 

最後に
樹脂の種類は多く、また、その特性や用途も多岐にわたっています。今回は、その樹脂を大きな分類で分けてみました。
ミライアルが取り扱っている製品は、汎用プラからスーパーエンプラまで多岐にわたっており、汎用プラを使った製品より、エンジニアプラスチックを使った製品を多く取り扱っています。また、大きな形状のスーパーエンプラ製品も多く、加工の難しい樹脂をミライアルは得意としています。

ミライアルコラムに戻る