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ミライアルコラム

第2回 樹脂とは② 【ミライアルの樹脂講座】

技術情報

 

熱可塑性樹脂の分類2
前回のコラムで、『熱可塑性樹脂は、「汎用プラスチック(汎用プラ)」と「汎用エンジニアプラスチック(汎用エンプラ)」、「スーパーエンジニアプラスチック(スーパーエンプラ)」に分類される。』と書きましたが、それぞれの樹脂は、さらに大きく分けると、「結晶性樹脂」と「非晶性樹脂」に分類されます。
「非晶性樹脂」は、樹脂の骨格である高分子の鎖がランダムに存在しているのに対し、「結晶性樹脂」は、高分子の鎖の一部が規則的に並んで存在しています。
この結晶構造の有無によって、様々な性質に差異が出てきます。その特徴を、表にまとめてみました(一般的な特徴であり、すべてが当てはまるわけではありません)。
一般的に、非晶性樹脂は、透明性や、寸法精度が必要な所で使用する場合が多く、結晶性樹脂は、耐薬品性や、強度が必要な所で使用する場合が多いです。

 

 

非晶性樹脂

結晶性樹脂

成形収縮 小さい 大きい
異方性 小さい 大きい
透明性 透明なものが多い 不透明/半透明
耐薬品性 弱い 強い
硬さ 軟らかい

(柔軟・強靭)

硬い

(高剛性・高硬度)

※異方性とは、材料の流れ方向(MD)と、流れに直角方向(TD)での収縮差(簡単に言うと縦横方向での寸法変化の差)のことです。材料の異方性が大きいと、ソリ(変形)が大きくなる傾向にあります。

 

 

 

 

熱可塑性樹脂の種類
一般的によく挙げられる熱可塑性樹脂に関しまして、これまで説明してきた分類に沿って分けてみました(ミライアルが使用している原料は、赤文字で明記します)。各樹脂にはそれぞれ特徴があり、製品の用途に合わせて樹脂を選定する必要があります。
ミライアルは上記図表の通り、結晶性樹脂を多く利用しております。
成形収縮が大きく、一般的に扱いづらいとされている結晶性樹脂ですが、ミライアルは、半導体製品に設けられている厳しい寸法公差でも、精密に成形し、規格に合わせて提供しております。

 

 

 

最後に
今回は、熱可塑性樹脂について、さらに深堀してみました。次回のコラムからは、ミライアルが使用している熱可塑性樹脂を中心に、各樹脂の詳細について説明していきたいと思います。

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